「不妊ルーム」物語
     

No.4 妊娠しやすい人、しにくい人

 最近、「こまえクリニック不妊ルーム」で妊娠される人が本当に増えてきて、スタッフ一同よろこんでいます。そして、その数が増えるにつれて、わかってきたことがあります。女性の年齢が若く、病気の程度が軽く、治療歴が浅ければ、妊娠に至りやすいであろうことは容易に想像されます。しかし、私が最近つくづく感じるのは、妊娠しやすい心のもちかた、しづらい心のもちかたというものがあるのではないかということです。

 それでは具体的に、どのような人が妊娠しやすいのでしょうか?それは、「子供が授からないということをあまり深刻に受けとめていない人」、別の言い方をすると不妊(治療)を生活のほんの一部と、上手にとらえている方です。これは印象深い方でしたが、昨年カウンセリングに来られ、イスに座るやいなや、「私はそんなに子供は欲しくないんですよ。でも、主人が赤ちゃん、赤ちゃんとうるさいんです。それで、背中を押されて相談にきたんです」といわれたのです。この方は、近くにお住まいということもあり、当クリニックに通っていただきました。そして、4ヶ月後に幸いにも、妊娠反応が出ました。そのことを彼女に告げると、「そうですか。それじゃ、習いごとのフラメンコはやめなければいけませんね。」これには、私も少々あっけにとられました。

 では逆に、妊娠しづらい人というのはどのような方でしょうか?まず、「気持ちが前のめりになっている人」を挙げることができます。メール相談や、カウンセリングに来られる人で、「排卵周期を1回も逃したくない」、「今周期こそは」と非常に力が入っている人がいます。しかし、こういう方は本人の意思とは反対に、なかなか妊娠が難しいという印象を私は持ちます。また、不妊に関することを、本やインターネットで徹底的に勉強されている「不妊博士」も、妊娠がかえって難しいように感じます。不妊症や、不妊治療の基礎的な知識を持つことは、現在の自分の位置づけを知り、今後のプランニングのためにも、大切に思います。しかし、度が過ぎて、頭でっかちになると、妊娠ということにマイナスにはたらきます。過ぎたるよりは、知らない方がよいようにも思います。これも以前に相談に来られた方で、何人もの不妊治療医を経験されている方でした。自らの基礎体温表を前に、私に猛然と議論を挑んでこられました。議論で私をうち負かして、妊娠に至ればよいのですが、私にはそのようには思えないのです。

 このホームページで私がたびたび述べていることなのですが、不妊症は多くの場合無症状であり、赤ちゃんを希望しなければ、多くの場合治療の適応とはならないのです。不妊のことばかりに気をとめることがストレスとなり、不妊症を悪化させるという悪循環に陥るとも限りません。なぜなら女性の体は、脳の中の間脳→脳下垂体→卵巣→子宮が、ホルモンバランスによって調節され、月経周期もコントロールされています。ストレスはこのバランスを乱す大敵です。不妊治療のドクターのアドバイスやコメントに、「あきらめず」、「がんばって」という文句が頻発します。しかし、私はあまり賛成できません。強いストレスを感じる環境下で「あきらめずにがんばって」もなかなかうまくゆくものではないと思うからです。私は、妊娠や不妊治療は、がんばるものではないと思っています。

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