子宮内膜症とは

     

病気の本質と不妊との関わり

ひとことで言ってしまえば、子宮内膜症は「子宮の内腔以外の場所に子宮内膜が発育する病気」です。病気の本質はこれだけなのです。そして患者さんは、確実に増えてきています。子宮内膜症は、生理の度に症状が強くなる、そしてよくなるということをくり返す病気で、生理がある女性には、だれしもが起こりうる病気とも言えます。

一昔前のように女性が若く結婚し、子どもを何人も産む時代にあっては、妊娠、すなわち生理が無い期間が長かったため、子宮内膜症という病気が発生する余地が少なかったわけです。ところが現在のように、女性の結婚年齢が上がり、なおかつ少子化の時代においては、女性が一生の間に生理を経験している期間が長く、したがって子宮内膜症になる機会も大きく増えています。ですから子宮内膜症は、「現代病」という側面も持っていると思います。

さらに近年この病気がクローズアップされているのは、子宮内膜症と不妊が切っても切れない関係にあるからです。大まかに言えば、患者さんの2人に1人が不妊に悩み、不妊症の女性の、3人に1人に子宮内膜症が見つかるくらいに関連性が高いのです。

病態と症状・子宮腺筋症

初発症状としては、生理の量が多い、性交痛、腹痛、腰痛などがあげられます。こうしたことが起こってくる原因は、子宮内腔でない場所に発生した子宮内膜が、正常子宮内膜と同様、月経周期に合わせて増殖と剥離をくり返すことです。正常な子宮内膜が剥離すれば生理になるわけですが、異所性の場合は、剥離が出血というかたちになります。いわばこの内出血が、色々な部位の痛みとして現れるわけです。子宮内膜症の発生しやすい場所は、卵管、卵巣、ダグラス窩、腸管周囲など子宮の周りです。

子宮内膜症が不妊と関係する本質は、こうした異所性に発生した内膜が、周辺臓器と癒着することによって、卵子の通過障害が起こることです。

とくにやっかいなのは、子宮の筋層内に子宮内膜が発育する場合で、こうした内膜症は「子宮腺筋症」という別の名前で呼ばれます。子宮腺筋症の場合、出血のはけ口がないために、激しい痛みを伴うことも多くみられます。子宮はくびれた茄子のような形をしていますが、子宮腺筋症がひどくなると、子宮が洋梨のようにふくらんだ形になります。

子宮内膜症の診断方法について

診断は、多くの場合、内診と超音波検査、さらには採血による「CA-125」というマーカーの値をもって行われることがほとんどです。こうした検査は比較的簡単に行え、患者さんの苦痛も少ないこと、そして外来で容易におこなうことができるからです。しかしこの3つの検査で内膜症と診断されるのは、75%程度と考えられています。

確実に子宮内膜症として診断するためには、子宮内腔以外に発育した子宮内膜を確認する必要があるわけですが、これが行えるのは腹腔鏡検査となります。しかしこの検査は 、全身麻酔下で、原則入院しなければならず、診断のためだけに行うのは躊躇される検査でもあります。

カウンセリング
子宮内膜症の治療

「不妊ルーム」に来られる方は、妊娠を希望されています。病気の程度もありますが、妊娠を希望するかしないかによって、治療方法は大きく異なってきます。

子宮内膜症は、生理が無い状態であれば、内膜の増殖が停滞するわけですから軽快してゆきます。ですから治療は、女性を生理が無い状態にすることがひとつの方法です。したがって、子宮内膜症の最善の治療法は妊娠することです。排卵誘発剤を使用するという手もあります。妊娠すれば、生理がありませんから、その間に内膜症はどんどん良くなります。
「不妊ルーム」に来られる方の目的は妊娠ですから、一石二鳥とも言えます。

未婚の女性や、妊娠を希望しない場合には、偽閉経療法や偽妊娠療法といって、薬によって生理を止めることで子宮内膜の増殖を停滞させるという方法がとられます。しかしこの治療を行っている間は妊娠はあり得ませんので、「不妊ルーム」に来られる方には、こうした生理を止める治療はできるだけ避けたいと考えています。

腹腔鏡は、子宮内膜症の確定診断をおこなえるのみならず、周辺臓器に癒着した内膜の剥離なども同時に行えるので、検査と治療を兼ねた方法とも言えます。しかし、体外受精などの高度生殖医療を行う医療機関では、腹腔鏡は卵巣に負担をかける検査であり、体外受精も視野に入っているのであれば、できるだけ避けるべきと主張する医師もいます。

子宮内膜症の治療は、女性の年齢、病気の程度、発生部位、そして今後の妊娠への取り組み方によって大きく違ってきます。ですから、「不妊ルーム」では、適切なセカンドオピニオンを提供するよう努めております。セカンドオピニオンが、大きなブレイクスルーになったケースをしばしば経験しています。

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