不妊用語集

●不妊治療の前に 【精液検査】

3~7日の禁欲期間の後、用手法(マスターベーション法)にて精子を採取し、精液量、精子数、運動率、奇形率を調べる検査です。不妊の原因は男女共に1:1といわれているため、男性の検査も重要となります。

精液検査の基準値(WHOの1987基準を参考に)

 精液量……2ml以上

 pH……7.2以上

 精子濃度……1mlあたり2000万以上

 総精子数……4000万以上

 運動率……前進する精子が50%以上もしくは高速に直進する精子が25%以上

 正常精子形態率……正常形態精子が30%以上

 生存率……75%以上

 白血球……1mlあたり100万以下

高速直進運動精子+緩徐な直進精子50%未満、あるいは高速直進運動精子25%未満の場合は精子無力症、精子濃度1mlあたり精子数が2000万未満の場合は乏精子症と診断します。

(大牟田天領病院婦人科部長 吉田 耕治先生監修)

●不妊ルームはこう考えます

精液検査は、不妊のもっとも大切な検査の1つであり、男性側がおこなう唯一の検査といっても過言ではありません。

「不妊ルーム」での5000組近い不妊相談の経験から痛感するのは、多岐にわたる女性側の検査をいろいろとおこない、そして、実際に治療に進んでおきながら、男性因子の検索がまったくおこなわれていないケースを本当に数多くみてきました。さらにいえば、精子と子宮の相性をみる「ヒューナーテスト」もおこなわれていないこともまれではありません。不妊の原因が、男女ほぼ半々ということを考えれば、どれほど不十分であるか、わかっていただけると思います。

精液検査をおこなうのにあたって、何よりも注意しておかなければいけないことは、この検査の数値が男性のコンディションの影響を受けやすいということです。非常に仕事がハードな時期におこなった数値と、リラックスした時期におこなえた数値とでは、後者の方が良いことが多いのです。

さらに、おもしろいエピソードがあります。ある男性の通常のマスターベーション法で得られた精液検査の数値と、精殺剤を含まないコンドームを用いてセックスしてもらい、その中の精液の数値を比べると、後者の方が圧倒的に良かったというのです。ですから、この検査は数字をあまり鵜呑みにしないことも大切です。

しかし、何度か精液検査をおこなって、いずれも数字が悪いようであれば、治療が必要です。不妊治療では、その数字に応じて人工授精や体外受精、さらには顕微授精などがすすめられることになります。

「不妊ルーム」では、タイミング法、などからステップアップする前に、漢方薬と錠剤を数種類を用いた薬物療法(排卵誘発剤など)をおこなっています。4週間程度薬の服用後に、前後の精液検査のデータを比べることにしています。3分の2のケースで、なにがしかの良好な変化が認められます。そのまま妊娠にいたったケースも数多く経験しています。

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